第3回は様々なプチ農業の実態をレポートします。家庭菜園、貸し農園、週末農業と徐々に本格化していくプチ農業。
しかし、その実態は楽しい、面白そうという取組む側の意識にあり、それ自体が新しいとも言えます。単にコロナ前、コロナ明けというだけでなく、これは農業を通じた大きな潮流ではないかとも見ています。今回はその実態を少しお伝えしていきます。
■家庭菜園
プチ農業の入門編は家庭菜園です。身近で日本人の約半数が経験者と言われています。この家庭菜園もコロナ後に大幅に増えており、単純なきゅうり、とまとからズッキーニや果物まで多品種で本格的な栽培まで広がっています。一時的なものではなく、始めた人がほぼ継続したいと答えているように10年以上続ける人が3割以上居ます。
始める理由の1位が「面白そう」とアンケートで答えているように、家庭菜園は身近で簡単に取り組める農業の一つと言えるでしょう。
タキイ種苗のプレスリリース
日本人の約半数が「家庭菜園」の経験者!
スクリーニング調査の結果、約17.5%が「現在、家庭菜園を実施」していて、「現在は作っていないが過去に作ったことがある」(30.9%)と合わせると48.4%と、約半数が「家庭菜園の経験がある」といえることがわかりました。
家庭菜園を始めた理由は「面白そう」「実施できる環境があったから」が多数
家庭菜園を実際に始めた理由は、1位「自分で食べる野菜を自分で作るのが面白そうだったから」(53.3%)、2位「野菜づくりができるような空いている庭や環境があったから」(48%)、3位「趣味のひとつとして野菜づくりは適していると思ったから」(36.3%)となりました。
約7割が3年以上続けている!家庭菜園は長期間継続する傾向
家庭菜園の継続年数で最も多いのは「10年以上」(33.3%)で、特に50~60代からの回答が多くみられました。30~40代が多い傾向にあった「3~5年未満」(19.7%)、「5~10年未満」(16.3%)と合わせると69.3%が3年以上家庭菜園を続けており、長期間にわたり継続する傾向にあるといえます。
■貸し農園
貸し農園を全国規模で展開しているのが㈱アグリメディアが運営する「シェア畑」です。
料金は地域にもよりますが、3.3㎡で12400円/月(東京世田谷)から7900円(大阪吹田千里山)、6400円(大阪箕面)で入会金11000円、農具無料貸出、専門アドバイザー付き、種、肥料の提供などほぼ初心者でも農業成果が直ぐに出せるサービスが売りです。
さらに農園内でのイベントで交流も楽しめ、新しい仲間との出会いも魅力。この貸し農園は中部圏ではコロナ前と現在で約10倍の契約件数があるとも言われ、今後の拡大がかなり期待されています。現在は主に都心中心に展開されており、車で10分、20分で農業を体験、新鮮な採れたての野菜を年間通じて食べられるというメリットがあり、急上昇のようです。休耕地の活用や農業未経験者が貸し農園での農業体験を通じて本格農業へ転身するという可能性も秘めており、まだ可能性も段階ですが農業人口の減少に歯止めをかける仕掛けになるかもしれません。
シェア畑さんのHPからの紹介です。
現在日本には、農家の高齢化、担い手不足などにより維持・管理出来なくなった農地や使われていない遊休地が多くあり、今もなお増え続けています。私たちは、そのような農地・遊休地を、誰でも気軽に農業と触れることができる「シェア畑」として再生しています。たくさんの方々のご協力によって活動は広がり、これまでに首都圏・関西合わせて全国約122ヶ所の農園が誕生し、約5万6千人のお客様にご利用いただけるようになりました。(2022年4月末時点)
この「シェア畑」を通じて、農地を保全し、都市に住む人たちの農業への理解・関心を醸成することで、日本農業の発展に貢献できると考えています。
■週末農業
貸し農園とは別の形で広がっているのが週末農業です。
農業をただの体験したいから、どうせなら副業にと近郊の農家へお手伝いに出かけ農業技術を少しずつ習得していくという積極派です。体験―学びー就農までまた単なる運動不足解消からアウトドアの農業版、副業としての収入まで様々なパターンでの週末農業がありますが、本業の農業側から見ても人材不足の解消、継承者人材の育成など両方が噛み合ってくれば農業の先にも繋がります。
あぐりナビから紹介します。
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家庭菜園や農業に興味があるけど仕事が忙しくてできないという人は、週末農業を始めてみてはいかがでしょうか。サラリーマンやOLをはじめ、子育て中の主婦、自営業者など、本業を持つ人が気軽に農業を学べます。週末農業は一体、どのように始めれば良いのでしょうか?今回は、週末農業に味のあるサラリーマンやOLを対象に、さまざまな観点から週末農業について解説していきます。
週末農業とは、サラリーマンやOLなど本業を持っている人が、週末だけ農業をすることです。仕事を持っていても気軽に農業体験ができるので、将来就農を考えている人でも、まずはお試しで週末だけ農業を体験できます。週末農業のメリットは、採れたての野菜を食べられること。もちろんスーパーなどで販売している野菜もおいしいですが、採れたての新鮮さには叶いません。何しろ自分で手間暇をかけて育てているので、味も格別です。普段オフィスワークをしている人は、週末農業で体を動かして運動不足の解消ができます。ストレスで自律神経が乱れている人は、週末農業で体を疲れさせれば夜はぐっすり眠れます。全国各地に週末農業が体験できる農園がありますので、ぜひ探してみましょう。
サラリーマンのまま農業の勉強をするなら、週末農業がおすすめです。将来的に就農を考えていても、農業についての知識を何も持たないまま、いきなり仕事を辞めるのはリスクが高いです。サラリーマンを続けながら週末農業で勉強をしたほうがメリットはあります。週末農業では非農家を対象とした農業講座を開講していることもありますので、働きながら体系的、実践的な学習が可能です。また、就農には資金が必要ですが、週末農業であれば学びながら貯金もできます。
こちらよりお借りしました。
The post 『食農ブームはどこに向かう』シリーズ2 家庭菜園~貸し農園~週末農業 様々なプチ農業の実態 first appeared on 新しい「農」のかたち.