「農」ブログの中間振り返り ~「農」の追求は環境、自然科学、歴史、食、医療、共同体、教育、国際社会、金融、市場、全てに広く繋がっている。
昨年9月から再スタートしたブログ「新しい「農」のかたち」は約半年8つのテーマで追求してきました。各テーマ、約10回の記事で追求し、最後にまとめを入れています。この5月から新メンバーを加えさらに強力な布陣で追求を重ねていきます。そのためにも、この半年間の当ブログでの追求の足跡を振り返りたいと思います。 ~最初の記事~...
View Articleシリーズ『種』7:獲得形質の遺伝④~環境変化に適応し、後世へと遺伝していく仕組み~
農作物の『種』とはどのような働きを持っているのか?を追求するシリーズです。「環境変化への適応・遺伝」の仕組みを解明するために、獲得形質の遺伝に着目して考えてきています。 獲得形質の遺伝①~DNAだけでは遺伝や生物の進化は説明しきれない~ 獲得形質の遺伝②~親が後天的に獲得した力は、子孫に遺伝する~ 獲得形質の遺伝③~獲得形質遺伝のメカニズムーRNAが遺伝する!~...
View Articleコラム:植物と土中微生物の共生ネットワークを壊し、地力低下を招く原因は「肥料」である
私たちは、「おなじ土地でずっと耕作を続ければ、地力が低下してしまうから、肥料を施さなければ作物は育たない」とか、「作物が土壌から栄養を吸収して、それを人間が収穫する以上、耕作を続ければ土はやせ続ける」などといったイメージを持ちがちであるとおもいます。...
View Article『稼ぐ農』シリーズ7~集団化したリンゴ農家、産業を変革する新しい農のカタチ
稼ぐ農業を実現していくためには「生産-流通-販売」を一体のものとして展開している事例として、前回は「企業が行う農業」として「(有)類農園」をご紹介しました。 「稼ぐ農シリーズ」の第7弾となる今回は、「農業に取り組む自立した集団」という視点で農業の可能性を探っていきたいと思います。 これからの時代は、農業において求められるのは「営業力」と「技術力」です。...
View Article【コラム】タネの多様性を守り続ける、ミャンマーの草の根ネットワーク
日本の9割以上の種子(タネ)は、その土地で収穫されたものではなく、種苗メーカーの手によって品種改良された1代限りの種子が広まっています。その土地に根差した農作物が世の中から無くなってしまうこと、そして、改良された品種による人体への影響が分からないことなどには、危機感を感じます。...
View Article「稼ぐ農」シリーズ8:稼ぐって何?
稼ぐ農シリーズも8回目になります。 今回はこのシリーズのタイトルにもなっている「稼ぐ」について扱っていきます。 農業に限らず人々は生産活動をする際に成否のものさしにするのが「稼ぐ」という結果です。...
View Article「稼ぐ農」シリーズ9:野菜の品質ってなに?食べ手が求める野菜とは?
「稼ぐ農シリーズ」も9回目となり、終盤に入ってきました。 これまで様々な事例をご紹介してきましたが、「売れる野菜とはなにか?野菜の品質とは?」について今回は扱っていきたいと思います。 ◯有機野菜・無農薬は当たり前の時代 有機栽培、無農薬栽培が世間で知られるようになってから久しくなります。...
View Article【コラム】レタスの食べ比べ大会!カットレタスの味が薄いのは・・・
レタスの旬の時期がやってきましたね。 一口に「レタス」と言っても、様々な種類があります。 サラダによく使われるリーフレタス、火を通してもシャキシャキしている玉レタス、お肉など具材を巻いて食べるサニーレタスなど。 同じ種類でも、いくつもの品種があり、味も見た目も違います。さらに、保存方法や期間も様々。 一体どんな違いがあるのか? 今回は4種類の「玉レタス」で、食べ比べをしてみました☆...
View Article【コラム】類学舎「農業研修プログラム」紹介①:おしゃべりばかりして、まじめに課題に向かわない小学生。「楽しみたい」気持ちの背後にある本当の期待は?
全日制の類学舎では、答えのない課題を仲間と追求する「探求」、現実の圧力の中でどうする?を考える「仕事」を毎日のカリキュラムに取り入れ、社会で生き抜く力を磨いています。 その類学舎が、この春から新たに取り入れたカリキュラムが、毎月1回1週間、類農園に泊まり込みで行う「農業研修プログラム」です。...
View Article『稼ぐ農』シリーズ10 経営する力って何?
さて、いよいよ稼ぐ農も最終回です。これまでの追求で見えてきたのが農業で稼ぐとは組織作りであり、経営する力であるということのようです。農業を生業として産業の中で勝ち続けていくには様々な力が必要であることは明らかですが、中でも経営する力、商売をする力が重要になります。 ただ、経営と言ってもいろんな視点があり、今回はそれを大きく4つに分けて考えてみたいと思います。 常に挑戦者であれ!...
View Articleシリーズ『種』9:「F1種子は安全である」として短絡的に安心して良いのか?
ここまで見てきたように、生物には1個体の一生の中で、新たな形質を獲得したり、それを次世代に受け継いでいく仕組みを持っていることがわかってきました。 本シリーズ最初の記事で紹介した、無農薬・無肥料の栽培方法を確立した関野さんのおっしゃるように、種取りをすることによって、その環境に適応した種が作られていくのだと思います。...
View Articleシリーズ「食農ブームはどこに向かう?」プロローグ
新シリーズを立ち上げます! タイトルは「食農ブームはどこに向かう?」です。 この3年に渡るコロナ禍の中で確実に広がっているのがアウトドアやキャンプ。さらには小さな農と料理~家庭菜園、外食を止めて自前で栽培し、新鮮や野菜を使って簡単な料理をつくる。新しい行き方としてこの2,3年静かなブームとして広がっているように思います。...
View Articleシリーズ『種』10~DNA信仰が、植物本来の力を失わせた元凶~
本シリーズでは、農作物の源である『種』について追求し、外圧適応の仕組み・交配の仕組み・遺伝の仕組みについて、原理を掘り下げてきました。今回は、シリーズまとめとして、追求してきた内容を振り返ってみたいと思います。 これを通じて、持続可能な農業はどう実現していけばよいか?の展望を考える一助になればと思います。 画像は、こちらからお借りしました。 ■日常的に進化を繰り返し、子孫へと遺伝する『獲得形質』...
View Article『食農ブームはどこに向かう?』シリーズ1:食農ブームって何?
近年、食や農業への興味・関心が高まっています。このシリーズのタイトルにもある「食農ブーム」とは、一体どんなものなのでしょうか? ■「食農」ってそもそも何? 第一次産業としての農業はもちろんのこと、健康な食生活について学ぶ「食育」もよく耳にする言葉。最近は学校給食の一環として、食育が取り入れられていますね。 その一方、「食農」は初めて聞く方も多いと思います。...
View Article『有機農業をまるっと見る!!」プロローグ:有機農業のホントのところを話していこう
この1年間、本ブログでは、『シリーズ「種」(リンク)』や、『農から考える自然の摂理~「土の仕組みを探る」シリーズ(リンク)』を通して、植物の生態や原理について掘り下げながら、農業の在り方について考えてきました。...
View Article【ロシア発で世界の食糧が変わる】プロローグ ロシアのウクライナ侵攻で、世界の食糧どうなっていく?
ロシアのウクライナ侵攻を発端として、世界の食糧状況は混乱に陷っています。 本ブログでは新たに「ロシア発で世界の食糧が変わる」を分析するシリーズをはじめていきたいと思います。 ロシアは世界有数の小麦輸出国であり、ウクライナは「世界の食糧庫」や「欧州のパンかご」と呼ばれるなど、両国ともに世界有数の食糧輸出国です。...
View Article『食農ブームはどこに向かう』シリーズ2 家庭菜園~貸し農園~週末農業 様々なプチ農業の実態
第3回は様々なプチ農業の実態をレポートします。家庭菜園、貸し農園、週末農業と徐々に本格化していくプチ農業。 しかし、その実態は楽しい、面白そうという取組む側の意識にあり、それ自体が新しいとも言えます。単にコロナ前、コロナ明けというだけでなく、これは農業を通じた大きな潮流ではないかとも見ています。今回はその実態を少しお伝えしていきます。 ■家庭菜園...
View Article【ロシア発で世界の食糧が変わる】1 世界の食糧貿易の変遷~農業生産が少ないから、輸入国になるのではない~
プロローグでは、ロシア・ウクライナ侵攻で世界中に物価高騰・食糧高騰の大きなインパクトを与えてきたロシアが、貿易で大きな存在感を示してきていることを見てきました。 今回の投稿では、まず世界の食糧・貿易の状況がどのように変化してきたのかについて見てみたいと思います。 画像は、こちらからお借りしました。 ■農業生産が少ないから、輸入国になるのではない(食糧支配の変遷)...
View Article『有機農業をまるっと見る!!』シリーズ1:みどりの食糧システム戦略って?日本と世界の有機農業の現状
国を挙げて推し進めている有機農業ですが、現状よく分からないことが多いのが正直なところです。まず、第1回の今回は、現状把握 農水省が昨年から『みどりの食糧システム戦略』を打ち出し、有機農業の普及を推進しています。実際世界ではどうなっていて、日本ではどれくらい普及しているのか?が今回のテーマです。 ■みどりの食糧システム戦略って?...
View Article【ロシア発で世界の食糧が変わる】2 ロシアのウクライナ侵攻に見る世界の農業意識の転換~世界は、ロシアから近代農業からの脱却を迫られている~
ロシアのウクライナ侵攻に伴い、世界経済に影響を与えていますが、「世界の食糧事情」に対して認識転換につながる可能性を秘めています。 今回は、ロシアの動きが世界に対してどのような影響を与えていくのかを考えていきたいと思います。 ◯世界の食糧危機を引き起こし、自給意識を高めていく ウクライナは「欧州のパンかご」と呼ばれるほど小麦の輸出を行っており、ロシアも同様に「世界有数の小麦輸出国」です。...
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