「主食って何?栽培の歴史から食を見る」第4回~主食のはじまり(根菜栽培編)
世界の主食には米、麦が最も中心的ですが、もう一つの主食である芋、バナナ、サトウキビに代表される根菜栽培を最初に見ておきます。またこれらの栽培種は主に東南アジアから南米に存在し、米や麦にある政治性や栽培支配といった穀物の歴史とはまた異なった所謂、地場の名も無い農耕民の工夫の中から生まれ育ってきた過程があります。...
View Article【日本の漁業はどこに向かうのか】シリーズ4~最先端の養殖技術を生み出したかつての日本、民間企業の技術開発によって養殖技術を発展させたノルウェー
※画像はこちらからお借りしました。 世界の漁業生産量は1960年に3000万トンだったのに対して2016年には21,000万トンと、約50年もの間で3.5倍にまで拡大しています。 漁業による漁獲量は1980年以降ほぼ横ばいの状況であるのに対して、世界における漁業生産量を押し上げているのは、「養殖における生産量の大幅な増加」であり、その割合は世界の漁業生産量の半分以上を占めるほど増加してきました。...
View Article【「食べる」と「健康」その本質に迫る】その4~海綿動物の摂食様式
「食べる」ことの本質に迫るため、本シリーズでは人間以外の様々な生物の「食」を探索しています。前回記事では、食の起源を探るために進化系統樹に沿って進化史を見てきました。食という行為は単細胞生物の時代から存在していて、より古い時代、原始の生物の振る舞いの中にこそ、食の本質が隠されている気がします。 今回は、前回登場した生物の中で「海綿動物」(カイメン)に着目してみます。...
View Article「主食って何?栽培の歴史から主食を見る」第5回~米はどうして主食になったのか?
こんばんは☆ 普段私たち日本人が当たり前に食べている、”お米”。 でも、なぜお米は私たちの「主食」になったのでしょうか? 主食たりえた理由がそこにあったのではないか。 今日は、改めてそこを追求してみたいと思います♪ 気候に適していたから♪ 米の栽培は13000年前から始まっていますが、わが国日本で稲作が開始されたのは縄文晩期、本格的には弥生時代からになります。...
View Article【日本の漁業はどこに向かうのか】シリーズ5~稼げる漁業の可能性はどこにあるのか?
漁業による漁獲量は1980年以降ほぼ横ばいの状況であるのに対して、世界における漁業生産量は増え続けています。 世界の漁業は成長産業でありながら、日本の漁業は衰退しているという話をよく聞くようになりました。これほど海に囲まれた国は珍しいのに、なぜ漁師は儲からない商売と言われるのでしょうか?...
View Article「主食って何?栽培の歴史から主食を見る」第6回~世界生産量2位の小麦はどうして主食になった?~
世界の主食は年間生産量の多い順に、トウモロコシ(10.3億トン)、小麦(7.4億トン)、米(4.8億トン)、ジャガイモ(3.8億トン)。このほかにもキャッサバ、大豆、サツマイモなどがあります。 https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0112/05.html 今回は年間生産量が2位で、世界の広い地域で食べられている小麦の歴史を追いかけてみます。...
View Article自然を通じた成長シリーズ④~生物は、どのように外部認識力を高めてきたか?~
本シリーズでは、自然や農を通じた体験が、人の心身の成長にどのような効果をもたらすのかを追求してきました。これまでは、世の中での事例や、当ブログを運営する類設計室の日々の活動をもとに、具体的な成長の様子についてみてきました。...
View Article主食って何?最終回 「主食」とは引立て役であり、なくてはならない空気のような存在。
「主食って何?」このタイトルで始まったこのシリーズですが、最初はメンバーのある一人から主食って何?という素朴な疑問からスタートしました。意外と難しかったこのテーマですが、主食を追求する中で栽培の歴史や食文化の歴史が見えてきました。最終回はこの間の追求を元にこの疑問にできるだけ答えてみたいと思います。 「主食って何?」 ・米、麦、イモ、とうもろこし、バナナ、豆など主に穀物系が中心...
View Article【日本の漁業はどこに向かうのか】シリーズ6 最終回~地元漁師による自主管理力の再生、自然と共生する漁業が日本の漁業を再生する
これまで日本の漁業の課題、これからの可能性について探ってきました。 本シリーズは今回が最終回である今回は、本シリーズのまとめとして「これからの日本の漁業がどこに向かっていくことが可能性か」をこれまでの内容をもとに考えていきたいと思います。 ○自然と共生することで成り立つ産業、漁業 ※画像はこちらからお借りしました...
View Article【「食べる」と「健康」その本質に迫る】その5 ~有機野菜はなぜ体に良いと言われるのか?
健康志向の流行を背景に「有機栽培」という言葉が良く聞かれるようになってきました。 一般的に有機栽培とは「化学肥料・農薬を使わず作物を育てる」ことと「作物を育てる土壌にも負担をかけないように配慮した栽培方法」のことを指します。そして、有機栽培により育った作物=有機野菜は「体に良い」と言われています。...
View Article【進化していく農法について考える】シリーズ1~新しい農法に至った歴史的背景とは?
昔から現在に至るまで様々な農法が開発され存在しています。百姓の農業技術の向上、新しい農具とともに新しい農法も開発されていきました。 その農法が開発されていったのにはどんな意識潮流があったのか?当ブログでは当時の外圧状況はどうだったのか、とりわけ近代に絞って追求していきます。最初は外圧状況とそれによって作られた法律についてです。次回以降には様々な農法の紹介をしていこうと思います。 ◆戦後の日本...
View Article自然を通じた成長シリーズ⑤~進化の源泉は、外部環境をありのままに受け入れ、ただ適応に向かうこと~
今回の成長シリーズは「外部認識力の進化」について原点ともいえる、単細胞生物を深めていきます。 太古の昔から現在に至るまで地球上でもっとも多く生息している生き物は、菌や細菌などの単細胞生物なんです!例えば人間のお腹の中にいる大腸菌。実は100兆匹以上!! 単細胞は、生命の原点であるとともに、外部環境に対する強固な適応力を持っています。この進化の源泉について見ていきたいと思います。...
View Article【進化していく農法について考える】シリーズ2~農家は「誰のため、何のため、自然のための質」を求められる時代、何を追求するのか~
前回の記事は歴史と農法の変化についてまとめました。 今回は、戦後から現代にかけての農家が何を追求し、これから何を追求していく必要があるのかを見ていきたいと思います。 ◆食力不足による量を求める時代、量から質を求める時代 ※画像はこちらからお借りしました。 日本は戦後直後に深刻な食料不足にあり、農業政策の中心は「量を確保すること」でした。...
View Article自然を通じた成長シリーズ⑥~子どもの成長の根源である「同期(同調)力」の発達過程をたどる。~
人(こども)の成長≒活力の源は、外部環境に対していかに内圧を高められるかです。つまり、外部環境(自然や人)と対峙するなかで『双方向に受発信』しあえる関係をつくることができるか否かが極めて重要だと考えることができます。 この外部環境と一体になろうとする⇒可能性・不整合を感受⇒一体になるための行動を起こすといった、外部と内部をつなぐ呼応関係。これを「同期(同調)力」を呼びたいと思います。...
View Article【進化していく農法について考える】シリーズ3 不耕起栽培に学ぶ~自然とはなにか?
土を全く耕さない栽培を不耕栽培といいます。 日本ではおそらくこの方(福岡正信)さんが最初にこの農法を発見したというか世に広めた第一人者でしょう。福岡さんは昭和22年からこの農法を始め約20年かけて不耕栽培を極めた方です。田圃を耕さずに藁をかけるだけで他の栽培方法とほぼ同等の生産を上げています。除草も害虫駆除も肥料も与えない、まさに何もしない農法が不耕起なのです。...
View Article【「食べる」と「健康」その本質に迫る】その6 ~植物の生育原理の関係→無機態窒素の吸収とアミノ酸の吸収の違いが“うまみ”のちがいを生む~
前回の記事では、「有機野菜はなぜ体に良いのか?」について、有機肥料と化学肥料のちがいを分析するなかで「有機肥料の圃場は、化学肥料の圃場よりも土中のアミノ酸が多く存在する」ということが分かってきました。 今回はさらに「土中のアミノ酸と植物の生育原理の関係とは?化学肥料の関係とは?」について追求していきます。 --- 以下引用(リンク) ※※※※※ 〇炭酸同化作用(光合成)...
View Article【進化していく農法について考える】シリーズ4~ぼかし肥料の基盤は自然への同化追求~
「進化していく農法について考える」シリーズで、前回は不耕起栽培について紹介しました。自然農法の先駆けです。 しかしその後、とにかく収量を増やすために、農薬や化学肥料を使った農業が始まり、健康被害等が課題となりました。 農薬”効率農業”から脱却するために、戦後は様々な農法が登場してきました。 今回は米ぬかと発酵技術を使ったぼかし肥料について、紹介していきます。...
View Article【「食べる」と「健康」その本質に迫る】その7 植物は微生物との共生によって成長する
(画像はコチラからお借りしました) これまで見てきたように、有機肥料を使った栽培と、化学肥料を使った栽培では、植物を栽培する環境の作り方が全く逆だということがわかってきました。 有機肥料は「自然状態の生育環境を”促進”させる」ことが目的で、化学肥料はスピード重視で人工物を利用して「”人工的”な生育環境をつくる」ことが大きな違い。 【「食べる」と「健康」その本質に迫る】その5...
View Article自然を通じた成長シリーズ⑦~万物に溶け込み、そして継承する~
現代社会に生きる我々は生活自体どんどん便利になってきている。 その一方で少なくないものを失ってしまった。それは悠然な自然美であったり、それを感じ取る感性、また地域で生きる共同体的風土。 様々なものが高度経済成長以降、人間本来の能力を封鎖してしまったといっても過言ではないのではないでしょうか。...
View Article自然を通じた成長シリーズ⑧~先住民族・縄文人・インディアンに学ぶ~
2回前のシリーズ「自然を通じた成長シリーズ⑥~子どもの成長の根源である「同期(同調)力」の発達過程をたどる。~」(リンク)では、 >社会で求められる力の根源には、「人との同期」、「自然との同期」が極めて重要であり、幼少期・少年期にこそ『同期力』を育む機会を増やしていくことが重要< ということが見えてきました。...
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